学術論文リスト
1987年 東京大学
本論文は3編より構成される。第1編は冬季の住宅の温熱環境に着目し、東北地方の住宅を対象とした広範囲な実態調査を行い、現状での問題点を明らかにし今後の住宅設計を行う上で資料を蓄積整備している。第2編は下記の住宅居住環境に着目し、主に換気通風性能に関する風洞実験、実測を行い、住宅の換気通風設計を行うための設計資料を提供している。第3編は結論であり、第1編、第2編を総合的にまとめている。
1985年 日本公衆衛生雑誌 第32巻第4号 181〜193頁
著者 長谷川房雄、吉野 博、新井宏朋、岩崎 清、赤林伸一、菊田道宣
山形県郡部の住宅を対象に住生活に関するアンケート調査、室温調査を実施した。調査結果の概要は以下のとおりである。いずれの住戸でも居間だけで暖をとる1室暖房であり暖房室と非暖房室の温度差は極めて大きく、上下暖房差も大きい。また、脳卒中死亡率の高い町では低い町に比較し居間温度が高く、一方廊下、便所などの日暖房室はほぼ同じ室温であるので家の中の温度差が脳卒中発症に大きな影響を与えている。
共同研究につき抽出不可能
Fluid Control and Measurement pp.691〜696
著者 村上周三、加藤信介、赤林伸一
気流の可視化に関して、新たに高出力のレーザー光を光源とした可視化システムを開発しこのシステムを建物周辺気流、室内気流等建築都市環境工学に関連の深い流れに適用し、平均的な流れのみならず、微細な乱流構造まで明らかにし観察することのできる可視化画像を得た。
1986年 日本風工学会誌 第27号 29〜40頁
著者 村上周三、出口清孝、高橋岳生、赤林伸一
近年の都市部にみられる超高層の集合住宅ををのバルコニーにおける風環境の実態調査、及び使用形態等を明らかにし、換気の障害となる可能性のあるバルコニーでの強風の対策方法について検討した。結果は以下のとおりである。バルコニーで強風の吹く領域は風上側の各部に限られ、遮風板を45゜に1枚あるいは直角に2枚設置することが可能である。
1986年 5th International Synposium on Contamination Control pp.691〜697
著者 赤林伸一、村上周三、加藤信介、池鯉鮒悟
層流型クリーンルーム内の気流分布をレーザーライトシートを用いた可視化システムにより解析した。クリーンルーム内に障害物を設置した場合にはその周りの気流が極端に乱れ汚染物が排出されがたいことなどを明らかにした。
1987年 第9回風工学シンポジウム論文集 85〜90頁
著者 村上周三、赤林伸一、高倉秀一
従来の風力により換気量の計算が平均の風圧係数から求められるのに対し、風圧変動による換気に着目し、単純な形状と開口を持つ建物模型を対象に実測及び風洞実験を行い以下のことを明らかにした。@開口部での風速、風圧変動の乱れの性状は開口が1個の場合と2個の場合では全く異なる。A開口が1個だけの場合、換気量は風向が開口の場合のある面に平行な場合に最大となる。また、2開口の場合に比較して換気量は約1/20に減少する。
1987年 流れの可視化 Vol.7 25 1〜6頁
著者 村上周三、赤林伸一
レーザーライトシート法による流れの可視化手法について従来の可視化手法との違い、可視化装置の概要、可視化結果の例について解説しており、レーザーライトシートを用いた可視化システムは建物周辺や室内の複雑な気流性状を把握する上で極めて有効であることを示した。
1987年 Proceedings of The 4th International Conference on Indoor Air Quality and Climat pp.175〜186
著者 H.Yoshino, H.Matsumoto, K.Makita, Y.Utsumi, S.Akabayashi
日本の地方都市において高い断熱性を持つ木造独立住宅を対象とした室内温熱空気環境とエネルギー消費量に関する実態調査を行い、その結果を解析した。その結果煙突を持たないストーブを使用している住戸のCO2 濃度やNO濃度が極めて高いことが明らかとなった。
1987年 日本風工学会誌 第33号 1〜8頁
著者 村上周三、赤林伸一
住宅の自然風通に関し、開口部に設置したガイドベーン、障害物が通風量に及ぼす影響をトレーサーガス法を用いた風洞模型実験により明らかとした。その結果、トレーサーガス法による通風量の測定方法は有効であること、風向きが開口に対して0゜から30゜まで通風量はほとんど変化しないこと、集合住宅の場合バルコニーを設置すると通風量が増加することなどが明らかとなった。
1990年 空気・調和衛生工学会論文報告集
著者 村上周三、吉野 博、水谷国男、赤林伸一、長谷川功
集合住宅の共用排気ダクトの設計に関し、模型実験と数値計算による検討を行い設計手法の提案を行った。結果は以下のとおりである。各種合流形式の合流損失係数と風速比、面積比の関係を近似式で示したこと、合流形式は直感合流が望ましいこと、屋上ファンをインバータ制御することにより、共用ダクト内圧力を一定の範囲に保つことが可能なこと等である。
1990年 Environment International Vol.16 pp37〜52
著者 H.Yoshino. H.Mattsumoto, K.Makita, Y.Utsumi, S.Akabayashi
12の英訳
1990年 日本風工学会誌 第45号 45〜55頁
著者 村上周三、加藤信介、赤林伸一、高橋岳生、水谷国男、金 永徳
大空間を有する卸売市場を対象とした風力と温度差に基づく自然換気量を計算機を用いた回路網シミュレーションと風洞実験により解析した。その結果、室内汚染質濃度は市場内で使用される小型運搬車の電化の割合により大きく異なることなどが明らかとなった。
共同研究につき本人抽出不可能
1990年 第11回風工学会シンポジウム論文集 155〜160頁
著者 村上周三、加藤信介、赤林伸一、高橋岳生、水谷国男、金 永徳、富永禎秀
通風時の建物内外の風速及び圧力分布を風洞実験により明らかとし開口の大きさや開口間の距離により従来の通風量算出方法に問題があることを指摘し、新たな算出モデルを提案した。
1992年 Journal of Wind Engineering and Industrial Aerodynamics Vol.41,45
pp.2575〜2586
著者 S.Kato, S.Murakami, A.Mochida, S.Akabayashi, Y.Tominaga
通風時の建物内外の風速及び圧力分布を風洞実験及び数値シミュレーションにより明らかとし、開口の大きさや開口間の距離により通風量を算出する際の抵抗係数を整備し、新たな通風量算出モデルを提案した。
1996年 第14回風工学シンポジウム 49〜54頁
著者 赤林伸一、持田灯、村上周三、他3名
新潟市を中心とする200km四方の領域を対象として大気乱流モデルを用いた夏季の局地風を数値解析した。その結果、水田が無くなると地表面温度は4〜10℃程度上昇すること、これに伴い風速も増加することなどが明らかとなった。