o 目的

 本規準は、室内の空気質を良好な状態に維持するために必要な換気量と、これを確保するための機械換気設備に関する 技術的基準を規定する。
 良好な空気質を確保するための機械換気設備が一つの種類に限定されることは稀であり、換気設計者は対象とする室の状況などに応じて種々のシステムの中から、より適切なシステムを選択することが可能である。本規準は機械換気設備に関し、幅広い選択を可能とする技術的判断基準を規定することを目的としたもので、換気設備設計方法の詳細を記述するものではない。
 本規準は換気設計を行う際に考えなくてはならない室内における汚染質の設計基準濃度、汚染質発生量、必要換気量、汚染質の混合状態などについて4.および5.に記述しているが、これらは必要換気量を算定するための基本的な考え方を示すものである。設計者は本規準の主旨をよく理解し、換気に関しての基礎的知識(例えば、空気流動、汚染質の混合状況など)に基づいた判断や工夫を要求される。規準中には具体的な計算例も示されているが、これらはあくまで考え方の理解を助けるための資料である。また、本規準は新たな換気システムの提案を妨げるものでなく、この規準の主旨に沿った創意工夫がされ、技術の向上がなされることを期待するものである。
 実際の設計に当たっては、汚染質発生量などのデ−タ収集、汚染質の混合状況の判断など多くの作業が必要になる。本規準は設計手順を逐一示したいわゆる”設計マニュアル”ではないことに注意が必要である。


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