o 用語

本規格における用語は以下による。
(1)居 室
居住、執務、作業、集会、娯楽、その他これらに類する目的のために継続的に使用する室。
(2)付 室
居室に付属し、継続的には使用しない室(便所、浴室、給湯室、台所、納戸、小倉庫等)。
(3)施設室
居室、付室以外の通常建物に設けられている各種の室(機械室、電気室、駐車場、業務用厨房、大規模倉庫等)。
(4)居住域
居住し活動するための室内空間の領域で、一般に床面から180cmの間の空間。
(5)気 積
室容積のうち、家具類、機器類、在室者の容積などを除いた実容積。
(6)給 気
給気口を通じて室内へ供給される空気で、外気または外気と還気の混合したもの。
(7)排 気
排気口を通じて室外に排出される空気。
(8)取り入れ外気
直接屋外より計画的に換気設備や空気調和設備に取り入れられて、初めて室内に供給される空気。ただし、他室からの流入空気が清浄と見なせるときには、これを取り入れ外気と同様に取り扱うことができる場合がある。
(9)還 気
室内に供給された空気のうち、空気調和設備などに戻される空気。返り空気、再循環空気ともいう。
(10)汚染質
空気中に粒子状またはガス状物質として存在し、人体に悪影響を及ぼす物質。なお、汚染質の発生量は時間当たりの質量または体積で表示する。
(11)一般環境
不特定多数(老人、幼児なども含む)の公衆が在室する可能性のある室内環境。一般事務室、住宅などの環境がこれに該当し、工場などの環境は含まない。
(12)労働環境
特定の汚染質などがその労働に伴い発生する環境(鉱山や炭坑、工場、原子力発電所など)。
(13)許容濃度
空気中に含まれる汚染質の許容される濃度。一般に、人間の健康を対象としたもので、一般環境と労働環境で値は異なる。
(14)設計基準濃度
必要換気量を求める際に用いるべき汚染質濃度の上限値。本規準においては、人体への健康影響を考えた許容濃度が明確でない場合に用いるべき暫定的な値も含む。
(15)定常完全混合
ここでは瞬時一様拡散のこと。空間内に放出された汚染質が一瞬にして空間全体に拡散し、空間内で均一に存在するような混合状態。
(16)換気回数
1時間当たりに室内空気が外気と入れ替わる割合で、供給される外気量を気積で割ったもの。[回/時]で表す。
(17)必要換気量
汚染質濃度を設計基準濃度以下に保つために必要な最小限の取り入れ外気量。
(18)基本必要換気量
室内での汚染質の混合状態を定常完全混合と仮定して求める必要換気量。設計必要換気量を算出する際の基本となる。
(19)設計必要換気量
換気設計上要求される必要換気量。室内での汚染質の混合状態が定常完全混合と異なる場合に、換気効率、廃気捕集率などを考慮して基本必要換気量を修正して算出される換気量。定常完全混合の場合は基本必要換気量と等しい。
(20)総合的指標
室内で発生するすべての汚染質の人体に対する健康影響をある特定の汚染質の濃度から類推する場合に、その汚染質および汚染質濃度を総合的指標と定義する。
(21)単独指標
汚染質単体の人体に対する健康影響を指標として示す場合にその汚染質濃度を単独指標と定義する。
(22)全般換気
室全体の空気を入れ換えることにより、室内の汚染質濃度を希釈するために行う換気方法。
(23)局所換気
汚染質の発生源近くで局所的に排気する方法や、居住域に局所的に給気する方法。
(24)規準化居住域濃度
居住域平均濃度の完全混合濃度(瞬時一様拡散濃度)に対する比を表わすもので換気効率指標の一種である。
(25)換気効率
一般には新鮮空気の分配や汚染空気の排出の程度など、換気性能を評価する効率・指標を総称したもの。規準化居住域濃度、廃気捕集率なども換気効率の一つである。
(26)廃気捕集率
台所の燃焼器具などから発生する汚染質の総量に対して、排気装置によってそれらを室内に拡散させることなく直接屋外へ排出した汚染質の量の割合。
(27)捕集効率
集塵装置やエアフィルターの性能を表わす数値で、捕集粉塵量の流入粉塵量に対する割合。集塵率ともいう。
(28)除去効率
空気清浄装置などにおいて、空気中に含まれる汚染質を除去する割合。

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