o 完全混合濃度に基づく基本必要換気量

o 人間に対する基本必要換気量

5.1 完全混合濃度に基づく基本必要換気量
5.1.1 人間に対する基本必要換気量
 人間は種々の汚染質を発生する汚染源であり居室には必ず存在する。また発生する汚染質の種類・量の全ては明確に分からない汚染源であると考え、以下のように基本必要換気量を算定する。
 人間からの二酸化炭素発生量、取り入れ外気の二酸化炭素濃度および総合的指標である二酸化炭素の設計基準濃度(1000ppm)に基づいて算出した換気量を基本必要換気量とする。
 ただし、人間の活動状態や取り入れ外気の二酸化炭素濃度が以下に示す標準的な状態に近いと判断される場合は参考値(30m/(h・人)*1を用いて基本必要換気量を算定することができる。

*1参考値(30m/(h・人))は、人間が事務作業程度の活動状態(二酸化炭素の発生量が0.02m/(h・人))で取り入れ外気の二酸化炭素濃度が350[ppm]の状態で算定される必要換気量である。

5.では居室を扱っており、必ず人間がその中に存在する。また、人間(あるいは人間の活動)から汚染質が発生するので、人間を汚染源と考えなければならない。人間の活動に伴う種々の汚染質発生(人からの呼気・臭気や粉じんなど)に対する基本必要換気量は、総合的指標である二酸化炭素の設計基準濃度(1000ppm)と人間の呼吸に伴う二酸化炭素の発生量から算出する。この換気量を確保することで人からの臭気や粉じんについても許容できる空気質が得られるものと考えられる。また、従来から一般に使用されている床・壁・天井など安全と考えられている建築材料や一般的な家具などから発生する汚染質についても、この換気量を確保することで対応できるものと考えることができる。ただし、特殊な建材・什器については発生する汚染質の種類・量に対応する基本必要換気量を確保する必要がある。
 人間からの二酸化炭素発生量は表−2のように人間の活動状態により異なる。したがって居室内での作業状況を適切に想定し、人間からの二酸化炭素発生量を設定する必要がある。
 また、取り入れ外気の二酸化炭素濃度は地域によって異なるので4.2で述べたように当該地域での値を調べた上で本文(1)式で基本必要換気量を求める。
表-2 人間からの二酸化炭素発生量
エネルギー代謝率(RMR)作業程度二酸化炭素発生量[m/(h・人)]
安静時0.0132
0〜1極軽作業0.0132〜0.0242
1〜2軽作業0.0242〜0.0352
2〜4中等作業0.0352〜0.0572
4〜7重作業0.0572〜0.0902

 本文の*1に示した参考値は表−2中の極軽作業(事務作業程度)の値を参考にして二酸化炭素発生量を0.02m/(h・人)とし、また、取り入れ外気の二酸化炭素濃度は350ppm(清浄な場合)を採用し、(1)式より算出した値である。すなわち、
p<CO2’>=M/(C−C)=0.02[m/(h・人)]/((1000−350)×10−6[m/m])≒30m/(h・人)  ・・・(2)
 なお、建築基準法施行令(第20条の2(ニ)および第129条の2の2の3)で要求している必要換気量は20m/m(h・人)となっている。これを本文(1)式にあてはめると、二酸化炭素発生量を0.013m/(h・人)と想定したことになる。これは成人が静かに腰掛けている状態の二酸化炭素発生量に近い。



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